2008年2月25日月曜日

日本 学生 支援 機構

企業復活 「日の丸ファンド」はこうして日本をよみがえらせた

頭脳と志を持って産業再生機構に集まった現代の若き国士達が、寝食を忘れ様々な利害が錯綜する難解な再生案件をこなしていく姿をダイナミックに捉えた秀作。一気に読める。マクロ経済とのつながり、再生機構を生み出した歴史的文脈描写、カネボウ、ダイエーなどミクロのケース記述、バランスがよく取れていてポイントを簡潔に綴っている。

外側からは分からない再生機構の活動の実像を把握できる良書だと思う。設立までのの経緯やカネボウ、ダイエーの再建は、なかなかドラマティックだ。再生機構については民業圧迫との批判もあり、評価が定まっていないようだ。筆者は、再生機構を高く評価するポジションのようだが、一定の客観性は確保しおり、信頼性は高そうだ。日本の産業界でも一気にM&Aが広がり、企業をめぐる環境も様変わりした。本書で、興味深く描かれている冨山和彦氏も「経営共創基盤」という経営支援会社を設立したと報道されていた。再生機構で活躍された方が、今後は日本の産業競争力強化で、新たな主役を演じるのだろう。記述も平易で、経済が苦手だが、M&Aや企業再生に関心がある学生らにも推薦できる一冊だと思う。

おそらく産業再生機構関係者への地道・綿密な取材がベースとなっているものと思われるが、カネボウやダイエー支援時にみられた過剰なまでの報道合戦の舞台裏で実際に展開されていた出来事が生々しく書かれている。「民業圧迫」、「独善的」等々、産業再生機構の実績について批判する声があるのも事実だが、この国のメガバンク・有力事業会社のいずれもが当時回避的だったリスクに果敢に挑み、結果、国民負担なく解散した機構の実績は、しっかりと受け止めるべきだろう。投資銀行・ファンド等のマーケット関係者のみならず、M&A、MBO、TOB・・・昨今新聞紙上を賑わすキーワードに興味・関心を持つ学生や一般読者も平易に読み進むことができる良書。

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